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子育てコラム

本当に良い子とは・・・?

3歳の悠人君が楽しそうにおもちゃで遊んでいたとき、翔太君がやってきて「おもちゃ、貸して」と言いました。しかし、大好きなおもちゃに夢中の悠人君は貸そうとしませんでした。あなたは悠人君にどのように声を掛けますか?
ほとんどの大人は「悠人君は良い子だから」と言い聞かせて、翔太君におもちゃを貸すように促すのではないでしょうか。あるいは、自分から貸せる思いやりのある子になってほしいと期待するのではないでしょうか。果たして、それが本当に良い子でしょうか。
おもちゃは悠人君とって大切なものなので、すぐに「いいよ」とは言えないはずです。むしろ、「今、僕が遊んでいるから貸さない!」と、自分の気持ちを押し込めるのではなく、素直に伝えられる方が大事で、子どもの自然な感情の流れです。思いやりとは、他者の気持ちを理解して行動することです。しかし、その前に自分の感情(うれしい、悲しい等)を表情や言葉、行動で表現できることが先です。それが土台となり、他者に対する感情(思いやり、かわいそう、助けてあげたい等)が構築されます。周囲の大人や親の期待に応えるだけの良い子ども(小さな大人)に育ててはいけないのです。
また、友達に物を貸せる子どもになるためには、子ども自身が「貸してあげたい」「貸してもらってうれしかった」と思える経験がなければ行動に結び付きません。悠人君が納得して貸してあげたとき、あるいは、少し時間が経過してから貸してあげたときに、「翔太君におもちゃを貸してあげて優しいね。ママ、とってもうれしいよ!」と、具体的に良かった行動を言葉にしてほめたり、思いきり抱きしめたりしましょう。それが良い行動の定着につながります。子どもが自己主張と自己抑制のバランスがとれるように、相手に伝わる表現の仕方を伝えたり、パパとママがモデルを示したりすることも大切です。
辛いことがあっても表情に出さず、辛いと感じない姿を見せる子どもが我慢強い子と思っていませんか。それは誤解です。自分のポジティブな感情もネガティブな感情も素直に表現できる子どもを育てましょう。
良く泣き、良く怒り、良く笑う子は、我慢する力も育ち、良い子になります。きっと!

「子育てワンポイントアドバイス」~子どもに愛情を伝える4つの方法~
1 触ること(スキンシップ)
2 見ること(子どもは見てほしい)
3 声を掛けること(認めていることを伝える)
4 話を聴くこと(子どもはいつも話を聴いてほしいもの)

特にスキンシップは、栄養を与えることと同じくらい重要です。「いたいのいたいの飛んでけー」は、言葉で痛くないと暗示をかけながら、患部に手を当てるので痛みが和らぐのだと思います。
「さぁー、なんでもない、のんびり抱っこをしましょう!」

加賀谷 勝
加賀谷 勝
2016.08.01
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