こんにちは、臨床心理士の千葉です。
ネウボラWebの広告が市の広報に折り込まれてから、何人かのお母さんに「チラシの真ん中に写ってた人ですよね」と声をかけられました。人に注目されるのが大の苦手な私は内心オロオロしてしまうのですが、それだけ皆さん、男鹿の子育て支援に関心を持ってくださっているのかもしれませんね。微力ながら精一杯頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、先日脇本公民館にて「子育て元気アップ講座」が開かれ、そこで「イライラしない子育てとしつけについて考えよう」というテーマでお話をさせていただきました。20名ほどのお母さんたちが参加してくださったのですが、皆さんとても熱心で、普段から母親として愛情深くお子さんたちを育てていらっしゃるということが伝わってきました。その講座では、子どもだけではなく夫にもイライラする!なんて話でも盛り上がりました(決して旦那さんへの悪口ではありませんよ)。
この講座の数日後、NHKで育児中のイライラについての番組がありました。ご覧になられた方もいらっしゃるかもしれませんね。この番組の中で、興味深い内容がありましたのでご紹介したいと思います(NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?最新科学で迫る日本の子育て」3/5放送)。
妊娠・出産に関与する重要なホルモンに「オキシトシン」というのがあります。これは筋肉の収縮に関係するホルモンで、子宮を収縮させ分娩を促したり、乳腺を収縮させ、母乳を出したりします。もう一つの作用としては、脳に働きかけ、パートナーや子どもとの愛情を深めることに関与します。しかし一方で、このホルモンは攻撃性を高める作用もあります。子どもを抱っこするなどの快刺激が与えられると、それは愛情となりますが、不快刺激が与えられた場合、それは攻撃となって現れます。オキシトシンの分泌が多い育児中の母親は、少しの快・不快で感情が大きく揺れ動きます。オキシトシンは愛情ホルモンである一方、愛情や絆を邪魔する相手に対しては攻撃性を強めさせるため、たとえ夫でも、育児に非協力的だと攻撃の対象になるのです。ということは、極端な話、子育て中のお母さんたちが旦那さんにイライラするのは、誰のせいでもなく「オキシトシン」のせいだったということもできるんですね。
では、オキシトシンの働きを攻撃ではなく、愛情に向かわせるにはどうすればよいのでしょうか。育児中の母親は毎日がストレス状態。その中で、母親にリラックス状態を生み出す一つの方法は授乳、そしてもう一つの方法は、夫との会話だそうです。夫が妻と向き合い、話に耳を傾け気持ちに寄り添う、このとき母親が感じる快感情が、夫への愛情につながるとのことでした。イライラすると、夫とのことばのコミュニケーションが、キャッチボールではなく、ドッチボールになってしまいがちですよね。しかしそんなとき、厳しいことばを投げつけるのではなくこう言ってみてはいかがでしょうか。「オキシトシン、大量分泌中!」