5月21日に、秋田拠点センターALVEで「第9回 東北母乳の会inあきた」が行われました。母乳の会は各都道府県にあり、母乳育児の支援や育児真っ最中のお母さん方にも役立つ学習会です。
秋田県は「あきた母乳育児をささえる会」として昨年発足しました。医療関係者だけでなく、母乳育児に関心のある方はどなたでも入会できます。興味のある方は声をかけてくださいね(母乳母乳としつこいですが、ミルクがダメということではないです。お母さんが納得して育児ができていればそれでいいんですよ)
今回私は「離乳・卒乳、悩んでいませんか?」というテーマのトークセッションに参加してきました。
私自身、もうすぐ4歳になる子がいますが、まだ母乳育児しています。えぇ、吸わせていますとも。そろそろやめたいなぁとも思っていますが、我が子の懇願を拒むことはできません。
いろいろな文献や学習会などで勉強もしていますが、助産師の私も卒乳なんとすべな~と悩んでいます。
さて、授乳期間中のみなさんは、いつまでに卒乳しなければならないと考えていますか?
実は、卒乳は母と子が決めるものなんです。ですから、期限なんてものは存在しないんですね。しかも、一度卒乳したと思っても、お子さんの体調や精神状態、母の乳房の状況によっては仕切り直しということもあります。ましてや卒乳に医療者の介入は必要ないんです。
ですから、誰に何を言われようと、母と子がおっぱいの最後を決めていいんですよ。
職場復帰のための卒乳(断乳という言葉は数年前から母子保健の世界からは消えましたね)という考え方も実はちょっと違う。その子がおっぱいがなくても自信をもって歩んでいけるようになればいいんです。お子さんだっていろんな環境の波にもまれているんですから。仕事から帰ってきたとたんにおっぱいを欲しがられたら、ちょっとまってよとイラつくこともあるでしょうけど、吸わせてあげましょう。私も「もうおっぱいやめたい!」とイライラしていましたが、子どもの目線で考えると不思議と納得できるようになりました。約1年もの間、一心同体で共同生活しましたからね。母は我が子の最強の理解者でありたいです。
家族の理解もお母さんの支えになります。「いつまで乳飲ませてんの?」なんて言わないでくださいね。
ちなみに、日令3日目から1歳半までの母乳の栄養成分を調べた研究結果なんてものもありますが、ほぼ変わらないとのことです。お母さんが食べている物にもよるでしょうけど。栄養がなくなるわけではないので、ミルクの方が栄養満点という考えは少し違いますよね。あと、寝かしつけの添い乳による虫歯への影響なんてのも考えちゃうと思いますが、口腔ケアの方法を考えればいいんです。
思春期になってもおっぱいを吸っている子はいないですよね(いたらごめんなさい)。母乳育児は終わりを迎えたらもう二度とできません。今しかない、このおっぱいライフを幸せな気持ちで楽しく過ごしてほしいなと思うのです。
おっぱいはお子さんにとってはパワースポットです。安心を充電できる場所です。大事にしてほしいと思います。
ただし、セルフケアが上手にできて何のトラブルもなくおっぱいさよならできればいいんですが、いざ卒乳と向き合った時に、乳腺炎だの、子どもの反撃だの、様々な問題が生じてしまう場合も少なくありません。
そんな時は、セルフケアや卒乳の方法を一緒に考えさせてくださいね。