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子育てコラム

家庭から始める防災のススメ ~遊びや日々の暮らしのなかで災害を疑似体験する~

二度目の防災に関するコラムです。秋田県立秋田中央高等学校の甲子園の勝利を願いながら原稿を書いていました。実は私は、幼いころから野球少年でした。夢は、当然甲子園を目指して、仙台育英学園に入学しましたが‥色々な理由で野球を挫折し、ハンドボール部に所属し励んでいました。甲子園が開催される時期になると、白球を追いかけ、泥んこになりながら過ごした日々を思い出します。そして、野球、ハンドボールを通じて出会えた友は一生の宝です。さて、話がずれてしまいそうなので、防災についてご紹介いたします。

【大規模な災害が起こる度に防災への備えが呼びかけられますが、対策はできていますか?「もし、避難所に入れなかったら...あなたは野外で過ごせますか?」】

休みの日は家族でショッピングや遊園地などもいいけれど、子どもとキャンプやBBQを楽しみたいというママ・パパは多いかもしれません。素晴らしい景色を子どもと一緒になって目を輝かせたり、普段は忙しくてなかなか時間が取れない子どもとの時間を過ごしたり...。家族全員で力を合せてテントを立て、ごはんを作ったり食べたりする中で互いに知らなかった一面や成長が見られるのも、親にとっては大きな楽しみですよね。
家庭で防災を進める上で注意したいのは、無理にやらせようとしないことが大切です。「しなくてはいけない」と強いることで、「防災はつまらない」という気持ちをもたせてしまうおそれがあるので、興味をもたせながら学ぶことが理想です。また、経験は心を強くするので、幼いころから困難なことを乗り越える経験を積ませたい。例えばキャンプをするのも一案です。電気やガス、通信手段のない非日常的なキャンプ体験は、ライフラインの途絶えた被災地においていかせることがたくさんあります。外で寝る体験や、どのようなタイプのトイレでも用を足せるようになれさせておくことは、震災後のストレス軽減に大きな効果があります。どのような状況であれ、おかれた環境に適応していくことが重要です。
また、キャンプに出かけなくっても自宅でも災害の疑似体験はできます。自宅のフローリングの床に寝袋を敷いて寝ることで、体育館の避難所の寝泊りをイメージしてみる。電気のブレーカーを落とし、ガスや水道の元栓を閉めた状況で一日過ごしてみることで、災害時に必要なものがわかってきます。非日常の不便な生活になっても、その環境で何ができるのかを前向きに考えて行動がとれるようになり、知識や経験を使うことができる。そんな生き抜く力を身に付けておくことが大切です。災害時に発生するあらゆる問題について、ご家庭でレジャーや日々の暮らしのなかで、楽しみながら生きる知恵を身につけてみませんか?
そして、その時に家族防災会議を開催して「家族がバラバラの時にどう再会するのか確認」しておくことも大切です。災害が起こる時、家族全員が一緒にいるとは限りません。お父さんが会社に行っていたり、お母さんが買い物に行っていたり、子どもが学校や塾に行っていたり、おじいちゃん・おばあちゃんが病院に行っていたり...東日本大震災の際には、それぞれの方法で避難して、その後、災害が落ち着き、いざ家族に会おうとしても会えなくて困ったという話をたくさん聞きました。

【家族がバラバラの時にどう再会するのか確認しておこう】
① まずは、それぞれが避難しましょう。
自分の身は自分で守る事が大切です。どんな場所にいてもまずは避難しましょう。当たり前と思っていますが、東日本大震災の時に自宅に誰か残っていないかを確認しに戻って亡くなった方もたくさんいます。「この位なら大丈夫でしょ」と思って逃げなかった人も犠牲になりました。他の家族はどうしているか電話で確認してから逃げようとするとアクションが遅れてしまいます。まずは、どんな場所でも「まず逃げる」という事を家族のルールとして決めてください。

② 集合場所を決めておきましょう。
家族が別々に避難して、災害が落ち着いた時にどの避難所で集合するか決めておきましょう。避難所になる場所は、それぞれの地域でいくつか決められています。災害が起こったら、それぞれがまずは一番近くの避難所に逃げましょう。そして、安全が確認されたら「我が家はここに集合する」というルールを決めてください。そして、家族全員で事前に確認する事が良いでしょう。

③ 安否確認の方法を決める。
災害時には携帯電話がつながらない事も多々あります。災害用伝言ダイヤル(171)の使い方や、家族割などで家族全員が同じ携帯会社を使用している場合は安否情報を登録・確認するサービスがあります。事前に登録して準備をしておきましょう。さらに、SNSなどは震災時にもつながりやすかったという声も多くありました。家族での安否確認する手段を2つ以上決めておき、実際に練習をしておきましょう。


是非‼ご家庭で楽しみながら防災をチャレンジしてみてください。

日本赤十字秋田短期大学 講師 及川真一
日本赤十字秋田短期大学 講師 及川真一
2019.09.01
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