子育てコラム

自分が安心できる家

新型コロナウイルス感染症で、今世界は苦境の中にあり、世界中の母親たちも深刻な影響を受けています。 けれどもそうした厳しい環境の中で私たちは自分を知り、何かを学び、成長することができると思っています。

若い母親としてアメリカから日本への移住はとても困難でした。 井川町でALTとして1年間英語を教えていた時の「楽しく冒険的な外国人教師」ではもはやありません。 代わりに僧侶の妻、料理もできない母親になりました。 ピーナツバターを買ったつもりが味噌だったり、その味噌がそもそもなんなのかも知りませんでした。 日本語も日本の文化も分かりません。慣れ親しんだすべてを失い、アイデンティティーが消滅したように感じました。 家族も友達もなく、安心して居られる場所がなく、地面が崩れ落ちたような深い不安の中にありました。
普通はこのような感情を避けるものでしょうが、当時の私は孤立し逃げ場もなく、自分の心から目をそらす方法さえありませんでした。そして自分の心と向き合うことになりました!

あまりにもかけ離れていた「完璧な母親」は諦め、「他人」の期待に応えるためではなく、自分自身に「意味のある生活」を送ることにしました。自分が安心して居られる場所、ひとりひとりが深く愛されていることを感じ、自分自身でいられる家庭を望みました。我家はとてもせわしなく、喧嘩もよくありました。お弁当作りは大変で慣れるのに何年もかかりましたが、 誕生日には子供が好きなキャラクターのケーキを焼き、家中を飾りつけ、パーティーを開きました。 就寝時間には厳しいですが、それまではリラックスして一緒にテレビを観ます。夏休みの宿題の多さは嫌でしたが、PTAの活動には最善を尽くします。 クリスマスの朝は学校を休ませ、プレゼントを開けさせました。 先生たちごめんなさい、でもこれらは私の子供の頃の最も幸せな思い出で、子供にも経験させたかったのです。
すべての家庭には独自の形があっていい。 早い段階で、完璧でないことを受け入れ、比較する必要がないことを学んだことに感謝しています。 そのことで、小さな喜びの瞬間を本当に楽しみ、困難をより優雅に受け入れられるようになりました。

「良い母」のプレッシャーから解放されると次第に素直になれました。状況がはっきり見えてきて、自分の短所・長所を両方を受け入れられるようになってきました。 過去や未来に惑わされず、今この瞬間に心を置くことを大切にしました。これらは、自分が成長するスペースを開いてくれました。
少しずつ自信を取り戻し心のバランスを保てるようになると、アメリカと日本の両方の伝統や習慣を融合させ、毎日の生活に織り込むことができるようになっていきました。

子供は多くの時間、母親の顔を見て育ちます。子供のために一生懸命働くことは尊いことです。しかし、もし自分を犠牲にし、疲れ果て、いつもイライラして接していたら、子供は喜びよりも負い目を感じてしまうのではないでしょうか。 自分らしく快活な母親の姿を見せることは、子供も自分らしく生きることを学ぶ機会であり、子供への贈物だと思います。

人間は社会を形成することで生き延びてきました。ですから社会とのつながりは非常に重要で、他者からの承認欲求があります。 ですが、他者に「完璧で成功した」ように見せることにとらわれ過ぎると、自分自身を失います。 最も重要なのは自分自身とのつながりではないでしょうか。 安心して自分自身で居られる場所、家=Homeが必要です。

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